「人は、どこからきて、どこに行くのか。それはお前たち人間には知る由もない事。…この魂は、そちらにも、こちらにも往けず、ただただ煉獄と呼ばれるこの世界を、彷徨っている。…そうか、後悔があるのだな。だからどちらにも往けない。往くことも戻ることもままならない。…不憫な魂だ。ほら、呼んでいるよ。お前を呼んでいる。行こうじゃないか、人間。呼ばれるがままに」
大学4年生の太田敦、新藤賢治、猪原渚、柿崎優が企画した卒業旅行。そこで4人は運命の岐路に遭遇する。
永遠の別れ。
誰にでもそれは突然に、何の前触れもなくやってくる。あとに残された人間はただ思い出を抱えて生きるだけ。
ただ静かに、コスモスの花が病院の花瓶に揺れている。